伝染性紅斑(りんご病)

微熱やかぜ様症状を認めた1週間くらい後、頬に少しもり上がった紅斑がみられる病気です。その見た目からの「りんご病」という呼び名の方が有名です。海外では、物騒な名前ですが「slapped cheek disease引っぱたかれた頬病)」と言われます。1週間前の「微熱やかぜ様症状」は全くなかったり、あるいは気にならない/忘れてしまう程軽いこともあります。

病原体:ヒトパルボウイルス B19

潜伏期間:通常 4-14 日ですが、21 日程度になる場合もあります。

感染経路:主として飛沫感染。血液製剤からの感染経路も指摘されています。

感染期間:かぜ症状出現から発疹が出現するまでの期間の感染力が最も強く、発疹出現時にはほとんど感染力はないとされています。

症状:かぜ様症状と、引き続きみられる「りんごのほっぺ」状の顔面の紅斑が特徴です。発疹は両側の頬だけでなく、四肢伸側にレース状、網目状の紅斑もよく出現します。体にも出ることがあります。これらの発疹は1週間前後で消失しますが、なかには長引いたり、一度消えた発疹が短期間のうちに再び出現したりすることがあります。入浴で体が温まった時や日光をたくさん浴びた時が多いようです。また、成人では関節痛・頭痛などを訴え、関節炎症状により12日歩行困難になることもありますが、ほとんどは合併症をおこすことなく自然に回復します。合併症として、元々血液、特に赤血球系の病気のある人がかかると重症の貧血を生じたり、妊婦が感染した場合、胎児にウイルスが感染し「胎児水腫」という危険な状態に陥る場合があります。免疫的な問題を抱える人がかかると重症化することもあるので注意が必要です。

    一度かかるとその後生涯に渡って免疫を保有する(終生免疫)ので、二度かかることはないとされています。

好発年齢:通常、流行の中心は学童ですが、あらゆる年齢層の人がかかる可能性があります。

診断法:ほとんどの場合、臨床症状によりなされます。確定のためには血液での抗体検査が必要ですが、保険診療で抗体が測定できるのは、この病気の人と接触した妊婦さんに限定されています。研究機関などでは遺伝子検査が行われます。

治療法:ウイルスに有効な治療薬はなく、対症療法が行われます。とはいえ、医療機関を受診した時には発疹のみのことが多く、特別な治療は必要ないことが殆どです。

予防法:飛沫感染予防対策、つまり、手洗いが基本です。妊婦さん、貧血など血液系の持病がある人、免疫力が低下している状態の人は「りんご病」が流行している時期の人混みをなるべく避け、必要時にはマスクを着用し、外出後の手洗いを励行して下さい。

登校(園)基準:発疹期には感染力はほとんど消失しているので、発疹のみで全身状態のよい人は登校(園)可能です。